うだ話49


     うだ話49  「聚楽第跡の復元−考古学的考察−」に対するコメント

馬瀬智光「聚楽第跡の復元−考古学的考察−」『古代文化』VOL.57 2004/02

本論は京都歴史フォーラム設立記念シンポジウムでの口頭発表を論文化されものである。口頭発表を基にしているためか、非常にわかり易い文章となっている。

タイトルは「復元」となっているが、2つの目標を持っている。発掘調査成果を用いて聚楽第跡の復元案を提示した上で、1つめの目標は聚楽第の調査成果が行政の指導方針と密接に関連することから、文化財保護上の提言を行うこと、2つめの目標は様々や要素との比較検討を行い、秀吉政権が聚楽第に期待した象徴性について考察することである。

問題提起、研究略史と続き、筆者が所属する組織他の調査報告書、試掘・立会調査記録までを丹念に資料化して分析され、新たな復元案を提示している。

さて、ここで終わっていれば、ボリューム的には少ないものの、優れた論考と言えるのである。しかし、「2章」、「4章」、「おわりに」において文化財保護行政について言及している点が気になる。評者から見ると、この提言は非常に中途半端と感じ、ほとんど提言の体裁をなしていない。資料の制約があるのは、平安京跡の調査がメインであるため、中世末から近世の京都を分析することに限界があるとの言い訳程度にしか見えないのである。

「おわりに」では、結局、この論文で何をハッキリさせたのかが全く分からない状態になっている。典型的な「二兎を追うものは一兎をも得ず」的なものになっている。

京都歴史フォーラム設立記念シンポジウムの目的にそった口頭発表であったのであろうが、やはり論考として発表する場合は、聚楽第跡の復元とその背景にある埋蔵文化財調査の限界をわけた方が良いと思われる。その方がさらに優れたものとなったと考える。

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