うだ話6


     うだ話6  埋蔵文化財諸々−左京氏の質問に対して−

BBSで、私の中途半端な文章にたいして、的確、鋭いご指摘が左京氏より ございましたので、予告どおりこちらに書かせていただきます。
ただ、立場的に具体例を出しての説明ができませんので、ちょっと抽象的な話になりますが、ご勘弁のほど。

ちなみに私の元文章は。。。。。。。
以前、うだ話にも書きましたが、発掘調査が少ないですね〜!新聞紙上も小さくのる程度でしょうか? 私の近辺でも本調査の話は、ぜんぜん聞こえて来ないですね〜! 開発面積自体は昨年ぐらいから大きくなっていますが、共同住宅とかでなく、分譲住宅が殆どですね! その分譲住宅も供給過剰で、先行きが不透明らしいですが・・・・・。 これだけ先の状況が読めない事態も初めてです。

左京氏の質問に答える形式で。。。。。

>1.amuroさんの仕事場での事実を述べているだけ。
仕事場はもちろん周辺市町の状況を含めて書いております。数年前から少なくとも和泉地域は本調査は 激減しております。 うだ話4で書いたとおり、確認、試掘調査は増加しておりますので、現場担当はほぼ毎日、現地確認、調査に行っています。 結局、バブル経済以前の状況に戻っただけと理解しております。

>2.発掘調査がもっと増えて欲しい?
文化財保護、現状保存という観点では、調査は最小限に止めなければならないと考えます。発掘調査が少ないことは非常に望ましい状況と考えます。

>3.新聞に発掘の成果がもっと載るべきだ?
どんな小さな発掘調査(本調査)でも、情報公開という意味では新聞に掲載していただきたいと考えております。特に、調査報告書の発行部数が十分でない現状を考えると、市民の方々に情報を提供する重要な役割を担っていると考えています。 記者発表の時、その発掘調査が地域史の中でどう位置付けられるのかを考えて資料を作り説明するんですが、記者の方にこれを理解していただくのに苦労しますね。

>4.本調査が特に少ない。 >5.本調査が少ないのは良いことだ。
本調査はほとんど無くなっています。確認調査を実施した後、調査についての開発者の方と協議をします。行政側からまず提案するのが、建築計画の設計変更です。基礎工事などを確認調査のデータから埋蔵文化財に影響ない範囲に変更してもらうことです。昨年からですが、この段階で協議が整うことが多くなっています。調査費用、期間と設計変更にかかる期間、建築費用を考えると、設計変更した方が早く、費用もかからないとの判断ですね。文化財保護の観点からは、良いことだと考えています。
確認調査でその開発地の遺構、遺物包含層の状況が把握できる。その上開発では破壊されない。=一定の情報収集ができる。遺跡は未来に残る。

>6.発掘面積は大きい方がいい。
これはなかなか難しいですね。保留でもいいですか?
ただ、考古学の本来の醍醐味は、小さな調査区データをつなぎ合わせて、その遺跡について考えることです。どんな学問でも同じではないですか?
少ない資料から、考えて仮説を立てて、また調査をする。これの繰り返しと考えます。

>7.住宅開発はこの先減っていく可能性もある。
個人住宅に対する要求は、人間が存在する限る減ることは無いと思います。どんな経済状況でも「戸建て住宅の憧れ」はあるようです。既存建物の建替需要も30〜50年周期でありますので、調査が必要なくなることは無いと考えます。

>8.先が読めないので仕事の段取りが付けにくい。
どんな経済状況でも何らかの開発(公共事業、民間開発)はあり、事前に埋蔵文化財の取り扱いに関して問い合わせ等はありました。問い合わせの中でも実際に開発に移行するのは半分以下ですが、それなりの準備(心の準備も含めて・・・・)ができます。
最近はどんな開発でも、直前にならないと状況がつかめません。全く予想がつかない状況で、調査以外の細々した事務処理や文化財啓発事業に専念すべきなのか、突発的な開発に対応するために待機した方がいいのか、微妙な状況です。いろいろ要望がありますので、啓発事業は増加していますが。

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