大阪府における出土品の取扱い基準

大阪府における出土品の取扱い基準   平成11年4月19日

1.将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性のある出土品とそれ以外の区分について

(1)将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性のある出土品の取扱い

文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び「埋蔵文化財の監査等の事務の委任について」(平成8年9月2日付け庁保記第98号)に基づいて出土品の取扱いを行う場合は、本「基準」別表に示すものを除いて、将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性のある出土品として取扱うものとする。

(2)将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなった出土品の取扱い

保管・活用の過程で変質・崩壊・滅失等により本来の価値が消滅したと判断される場合は、大阪府教育委員会と協議の上、将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなった出土品として取扱うことができるものとする。

この場合の協議にかかる手続きは別に定める。

2.将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性のある出土品の保管・管理区分について

将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性のある出土品は、法の趣旨に基づき、出土品自体のもつ価値等について十分配慮し、その保管・管理・活用について適正な措置を講ずる必要がある。

上記の措置を講ずるため、出土品の活用頻度や活用の目的等、以下に示す条件を考慮して区分し、積極的な活用と効率的な保管・管理を行うものとする。

(1)資料的価値が高く、展示等の活用の機会が多いもの

個別に管理することを基本とし、展示・公開・照会等に対応して活用が可能な状況を維持し保管・管理するものとする。

(2)報告・公表された出土品

発掘調査報告書等において個別に記載のある出士品については、個別に管理することを基本とし、展示・公開・照会等に対応して活用が可能な状況を維持し保管・管理するものとする。

(3)上記以外で整理作業が完了したもの

上記(1)、(2)に該当するもの以外で整理作業が完了した出土品は、出土地点等出土状態の対照が可能な状況を維持しつつ保管・管理することを基本とし、教材・各種研究資料等、広範な活用に努めるものとする。

(4)整理作嚢が完了していないもの

整理作業が完了していない出土品については、出土地点等出土状態の対照が可能な状況を維持しつつ保管し、順次計画的に遺物整理を実施することにより、上記(1)〜(3)の区分を適用し積極的な活用と効率的な保管・管理を行うものとする。

3.将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性のある出土品の活用について

「出土品の取扱いについて」(平成9年8月13日付け庁保記第182号文化庁次長通知。)4の規定に基づき、従来の展示・公開等にとどまらず出土品の広範で積極的な活用に努めるものとする。

活用に伴って出土品の交換、譲与、貸出し等を行う場合は、出土品の保管・管理を行う地方公共団体等において、その種類、数量等必要な事項を記録する等、適正な取扱いを確保するため必要な措置を講ずるものとする。

4.将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性のない出土品の取扱いについて

発掘調査等による出土品は、埋蔵文化財の構成要素や記録等の一部として保存に努めることを基本とし、本「基準」1−(1)の区分により、将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がないとされた出土品については、下記の規定を踏まえ必要な取扱いを行うものとする。

(1)将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなった出土品の廃棄

上記1−(2)の規定に基づいて将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなったと判断された出土品については、廃棄の措置を講ずることができるものとする。

この場合、廃葉にかかる手続き等については別に定める。

(2)出土品の広範な用途への利用

出土品のうち将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がないとされたものにあっても、出土品自体の歴史性等を考慮し、広範な用途への利用を創造的かつ積極的に護ずるものとする。

5.その他

(1)基準の見直し

本「基準」は、社会状況の変化、学問水準の変化に応じ、大阪府教育委員会、各市町村教育委員会の協議の上、必要により見直すことができる。

(2)適用

本「基準」は平成11年5月1日より適用する。


(別表)

大阪府における出土品の取扱い基準

将来にわたり保存・活用を図る必要性がない出土品
種類 適用 備考
自然物 ア 流木・風倒木等の植物遺体及び動物遺体で人為的加工が施された可能性が低いもの
イ 「包蔵地」の自然環境的要素を示す自然遺物
物件が人工的でない場合であっても、出土の状況等によって往事の人間の生活と関連があると考えられるもので、必要と判断されるものは除く
(*1)
遺構の構成素材 ア 古墳の葺石等、遺構の構成素材で特筆すべき人為的加工を伴わない出土品
イ 遺構を構成する加工された素材のうち、それ自体の価値が極めて低い出土品
 
遺存状態の極めて悪いもの 摩滅等により時期・形状等が不明な小細片や土壌化し本来の質・形状をとどめない出土品 柱穴等遺構に伴うものや地域性・時代性・希少性等文化財的要素をもつ場合は除く
江戸時代中期以降のもの 帰属する時代が江戸時代中期以降と判断される出土品 ア 出土品の帰属する時代が調査の対象として扱われる場合は除く
イ 出土品が遺構の存続時期を示す場合等、記録保存を行う上で必要と判断される場合は除く
ウ 出土品自体に地域性・時代性・希少性等文化財的要素が認められる場合は除く
*1「埋蔵文化財の監査等の事務の委任について」(昭和46年9月1日付け庁保記第182号文化庁次長通知。)2−(3)による。

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