大阪府における出土品の取扱い変更に関する手続きについて　　　　平成１１年４月１９日

１．趣旨

本手続きは、「大阪府における出土品の取扱い基準」（平成１１年４月１９日付け教委文第７２号大阪府教育委員会教育長通知。以下「基準」という。）１−（２）の規定に基づき、将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性があるとされた出士品の取扱いを変更する必要が生じた場合の、大阪府教育委員会と市町村教育委員会及び関係機関との協議にかかる手続きについて必要な事項を定める。

２．将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性があるとされた出土品の取扱いを変更する際の要件

将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性があるとされた出土品について、その後、保管・活用を図る必要性・可能性がなくなったと判断され、その取扱いを変更しようとするに当たっては、保管・活用の過程で変質・崩壊・滅失等を来たし、その価値が消滅したと判断される場合、又は復元・修復等の処置が極めて困難もしくは不可能と判断される場合に限って行うものとする。

この場合「基準」４の規定を踏まえ、必要な取扱いを行うものとする。

３．将来にわたり文化財として保存・活用を図る必要性・可能性があるとされた出土品の取扱いを変更する際の事務手続き

上記２の要件を満たし、将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなったとして、その取扱いを変更することがやむを得ないと判断される場合は、当該の出土品の保管機関の別により以下の事務手続きを行うものとする。

（１）大阪府教育委員会保管出土品の取扱い変更

大阪府教育委員会が保管する出土品について、将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなったとしてその取扱いの変更を行おうとする場合は、「取扱い変更出土品台帳」（別紙様式１）を作成し、当該出土品の発見通知日等必要事項を記録し保管するものとする。

この場合、取扱いの変更を行おうとする出士品が、本来「基準」２−（１）・（２）の区分に該当するものである場合には、個別に公表された本来の状態と取扱いの変更を要するに至った状態を比較可能な資料を作成し保管するものとする。

（２）市町村教育委員会保管出土品の取扱い変更

市町村教育委員会が保管する出土品について、将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなったとしてその取扱いの変更を行おうとする場合は、上記（１）の手続きに準じて行うこととし、「出土品の取扱い変更協議書」（別紙様式２）を大阪府教育委員会あて速やかに提出しその取扱いについて協議するものとする。

府教育委員会は当該の協議の結果、適正と判断された場合は「出土品の取扱い変更通知」（別紙様式３）によりその旨当該市町村教育委員会あて通知するものとする。

当該市町村教青委員会は「出土品の取扱い変更通知」に基づいて「取扱い変更出土品台帳」（別紙様式１）を作成し、当該出土品の発見通知日等必要事項を記録し保管するとともに、「基準」４の規定を踏まえ、必要な取扱いを行うものとする。

（３）府及び市町村教育委員会以外の発掘調査機関等保管出土品の取扱い変更

発掘調査機関等が保管する出土品について、将来にわたり保存・活用を図る必要性・可能性がなくなったとしてその取扱いの変更を行おうとする場合は上記（１）の手続きに準じて行うこととし、「出土品の取扱い変更協議書」（別紙様式２）を大阪府教育委員会あて速やかに提出し、その取扱いについて協議するものとする。ただし、「出土品の取扱い変更協議書」の提出は当該出土品の発見場所を所管する市町村教育委員会を経由して行うものとする。

府教育委員会は当該の協議の結果、適正と判断された場合は「出土品の取扱い変更通知」（別紙様式３）によりその旨当該発掘調査機関等へ通知するものとする。

当該発掘調査機関等は「出土品の取扱い変更通知」に基づいて「取扱い変更出土品台帳」（別紙様式１）を作成し、当該出土品の発見通知日等必要事項を記録し保管するとともに、「基準」４の規定を踏まえ、必要な取扱いを行うものとする。

（４）譲与済み出土品の取扱い変更

文化財保護法（昭和２５年法律第２１４号）第６４条による譲与の手続きがなされた出土品の取扱い変更を行おうとする場合は、上記（１）〜（３）の手続きを準用するものとし、「出土品の取扱い変更協議書」の提出は当該出土品の発見場所を所管する市町村教育委員会を経由して行うものとする。ただし、当該出土品の管理者が大阪府教育委員会である場合、または、当該出土品の発見場所を所管する市町村教育委員会である場合はその限りではない。

（以下、様式３種は省略）